アマモ研究 : 熊本県立芦北高等学校との共同研究(2022年6月)

熊本県立芦北高等学校(通称:芦高<あしこう>)とのアマモを対象とした共同研究体制も、43ヶ月目となりました。

(これまでの活動記録は、本ページ最下部のリンク集(計38本)からご覧下さいませ)

2022年6月は、干潟活動(アマモ場造成手法の一つ「ロープ式下種更新法」仕掛け)、アマモ場空撮を行いました。

 

 

<干潟活動>

例年6月ごろは、アマモ場造成活動としての大イベント「ロープ式下種更新法」という

芦北高校が開発した造成方法を仕掛けていきます。

今年は、芦北高校のプレゼン(環有明海高校生サミット~有明海をつなぐ高校生のつどい~)機会を主催した「森里海を結ぶフォーラム」の皆さまが、

芦北高校の発表に共感され、県外からご参加いただき、

また芦北高校からも応援隊の参加で、多くの方との活動となりました。

当社からは、筆者の私(園山)と北野研究員で参加しました。

 

 

 

↑ (上側)当日はあいにくの雨、初顔合わせでもあり挨拶から入ります。

(左下)その後、いつもの活動ポイントまで堤防上を移動します。

(右下)いつもの大潮干潮時間を狙っての活動で、当日は潮位ほぼゼロ。

画像で堤防から右側(北側・多年生の天然アマモ場)は、アマモが干出しています。

 

 

 

↑ 堤防から南側の11月からアマモを移植しているアマモ場を増やしたい造成エリアです。

昨年度「ロープ式下種更新法」を仕掛けたこれまで自生アマモが生育しなかった場所でも、

順調にアマモが増えています。

 

 

=====

【ロープ式下種更新法】

干潟にロープを張り、そのロープに一定間隔で花枝の束をくくりつける手法で、熊本県立芦北高等学校(林業科 アマモ班)が

開発した「森林の再生手法である『天然下種更新法』を参考とした自然に近い条件下による手法」(2009年より実践)です。

その効果として、同校がアマモ場造成に向けて活動しはじめた2003年には、2500㎡だったアマモ場が、

2008年まででは1.5倍ほどの拡大をしていましたが、

この手法を2009年から取り入れてからは、2018年には20倍の5万㎡と、20倍もの面積のアマモ場を再生しました。

(その後、昨年2020年の大雨で残念ながら大部分は 消失 してしまいました)

なお、ロープ式下種更新法については、2014年熊本県が発行の「漁業者のためのアマモ場造成マニュアル」

https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/life/80846_99157_misc.pdf   約14Mのpdfファイルです)にも掲載されております。

上記ファイル展開後23ページ。補足として、アマモ花枝をロープに括り付ける方法として、現在は環境配慮もあり分解しやすい紐を用いております。

 

 

ご参考:芦北高校の「ロープ式下種更新法」アマモ場造成活動の記録

2021年版➀、2021年版➁、2020年版2019年版

=====

 

 

 

↑ 芦北高校の前島先生から説明があり、まずは天然アマモ場から花枝(種をたくわえたアマモ)を

採取していきます。今年は3年ぶりに地元漁業関係者の方にも船を出して頂き、

一緒に花枝を採取し、その後、沖合にも設置します(3年前の様子)。

このころにはちょうど雨が上がりました。

 

 

 

↑ 活動中、ドローンオペレーターの高峰さんによる空撮も含めた画像記録も実施。

降雨環境下では撮影できないので、いいタイミングで雨がやんでくれました。

(また別日で、毎月潮位一定のアマモ場空撮画像記録も行いました)

下の2枚は、当日のアマモ場で撮影した鳥さんです(アマモあるところに魚あり)。

この後は、ドローン撮影・画像動画クリエーターでもある高峰さん画像調整の素敵な画像3枚です。

 

 

 

 

(ここからまた筆者(園山)撮影画像に戻って・・・)

 

↑ 皆さんが採取したアマモ花枝を堤防上に引きあげます。

アマモはこの時期1m以上に生長していますので、なかなかのボリュームです。

 

 

 

↑ ロープ上、一定間隔でアマモ花枝の束(20本)を括りつけていきます。

 

 

 

↑ その後、アマモを造成したい場所へ移動し、杭を打って花枝を括りつけたロープを張ります。

 

 

 

↑ 今年は船組もあり、船上で同様にロープにアマモ花枝を括りつけて、

堤防から歩いていけない遠方のアマモ場を増やしたい場所に、杭を打って設置しました。

 

 

 

↑ 堤防アプローチ組と船組の競演(空撮画像)。

 

 

設置後、時間の経過により潮が上がったため、また再びの降雨で、草丈調査は断念、

干潟活動は完了しました。

今回の活動で、芦北の海に、種子散布「15万粒(理論値)」(ロープ4カ所・計130メートル)を行ったことになります。

2020年7月の大雨でほぼ 消失 してしまったこれまで造成してきたアマモ場エリアへの、

2021年シーズンから実施の再びの造成スタート。

着々とアマモが増えていますので、今回の仕掛けもその成果がでてくるでしょう。

 

 

 

↑ 堤防で解散後、芦北高校へ。

アマモラボの追熟装置に仕掛けるアマモ花枝(これも別途採取していました)をさっと洗浄し、

今年も仕掛けることが出来ました。

2学期にはアマモ種子が採取でき、水槽試験がいつでも可能なようになります。

(ここ芦北で採取されたアマモ種子においての、「種子保存手法」「発芽条件」は2019年に構築)

 

 

ご参加の皆さま、大変おつかれさまでした!

今回県外からのご参加の「森里海を結ぶフォーラム」の方々により、

芦北高校の造成方法「ロープ式下種更新法」が、別のエリアでも普及すれば嬉しいですね。

(ご参考:【拡がっている事例(対岸の漁協+御所浦小学校の取組)】

https://www.agri-light-lab.co.jp/?p=6380

 

 

 

 

≪ご参考:芦北高校との活動記録リンク集≫

【2018年12月】 : 共同研究体制スタート。アマモ班と初顔合わせ。
【2019年 2 月】 : 芦北高校に当社研究水槽設置。アマモ班との座談会。
【2019年 3 月】 : 深夜の定植活動
【2019年 4 月】 : 明るいときの定植活動(この月より最干潮時間が陽が高い時のため)
【2019年 5 月】 : 花枝採取、マリンチャレンジプログラム授与式
【2019年 6 月】 : ロープ式下種更新法でのアマモ場造成
【2019年 7 月】 : 土壌採取、分析
【2019年 8 月】 : 土壌採取、分析、取材
【2019年 8 月】 : 芦北高校「優秀賞」
【2019年 9 月】 : アマモ観察、採取
【2019年10月】 : アマモサミット・芦北高校もプレゼン
【2019年11月】 : アマモ観察、採取(この月より最干潮時間にあわせて深夜活動)
【2019年12月】 : アマモ移植(試験区設定)、観察、採取、取材
【2020年 1 月】 : アマモ移植(試験区設定)、観察、採取、当社ラボ見学来訪
【2020年 2 月】 : アマモ移植(試験区設定)
【2020年3・4月】 : アマモ移植(試験区設定)、観察
【2020年 5 月】 : アマモ試験区観察、採取
【2020年 6 月】 : ロープ式下種更新法でのアマモ場造成・試験区観察・ドローン飛行による撮影・芦北町環境基本計画掲載
【2020年 9 月】 : 豪雨後の記録1<堤防から見た画像>
【2020年 9 月】 : 豪雨後の記録2<上空・水中から見た画像>
【2020年10月】 : アマモ種子選別
【2020年11月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、種子洗浄、海辺の自然再生・高校生サミット2020
【2020年12月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、「高校生マイプロジェクトAWARD in 熊本・益城」
【2021年 1 月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、空撮画像取得開始
【2021年 2 月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、アマモ種子試験、空撮画像取得、光量子測定
【2021年 3 月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、アマモ種子試験、空撮画像取得、高校生マイプロジェクトAWARD 全国summit
【2021年 4 月】 : アマモ観察、移植(水槽生育分)、アマモ種子試験、空撮画像取得、マリンチャレンジプログラム授与式
【2021年 5 月】 : アマモ観察、移植(水槽生育分)、ロープ式下種更新法、アマモ種子試験、空撮画像取得
【2021年 6 月】 : アマモ観察、移植(水槽生育分)、ロープ式下種更新法、空撮画像取得、日本沿岸域学会参加
【2021年 7 月】 : アマモ観察、空撮画像取得、くまもと環境賞受賞
【2021年 8 月】 : アマモ観察、空撮画像取得、マリンチャレンジプログラム全国大会出場へ
【2021年 9 月】 : アマモ観察、空撮画像取得、アマモ種子選別、アマモポット苗作成
【2021年10・11月】 : アマモ観察、移植(試験区設定、水槽生育分)、空撮画像取得、アマモ種子選別、光量子測定、SPAD値測定
【2021年12月】 : アマモ観察、移植(試験区設定、水槽生育分)、空撮画像取得、SPAD値測定
【2022年 1 月】 : アマモサミット・芦北高校もプレゼン
【2022年1・2・3月】 : アマモ観察、移植(試験区設定、水槽生育分)、空撮画像取得、SPAD値測定、水槽環境構築、マリンチャレンジプログラム全国大会、サイエンスキャッスル九州大会
【2022年 4 月】 : アマモ観察、空撮画像取得、水槽構築、光量子測定
【2022年 5 月】 : アマモ観察、空撮画像取得
【2022年 6 月】 : ロープ式下種更新法、空撮画像取得