アマモ研究 : 熊本県立芦北高等学校との共同研究(31ヶ月目)

熊本県立芦北高等学校(通称:芦高<あしこう>)とのアマモを対象とした共同研究体制も31ヶ月目に入りました。

≪スタート時の話題、当社のアマモ研究についての説明・資料は 【コチラ】

≪ご参考(以前の活動記録):2019年 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】 【6月】 【7月】 【8月】 【8月(芦北高校「優秀賞」)】・ 【9月】 【10月(アマモサミット・芦北高校もプレゼン)】 【11月】 【12月】・2020年 【1月】 【2月】 【3・4月】 【6月】 【10月】 【11月】 【12月】・2021年 【1月】 【2月】 【3月】 【4月】 【5月】

 

 

2018年12月より月1度の、同校「林業科 アマモ班」のアマモ場造成への活動にも参加させて頂いておりますが、

2021年6月は、干潟活動(移植<ロープ式下種更新法>・観察)・アマモ種子試験(ラボ内継続中、今回画像無し)・空撮画像撮影と、活動を行いました。

 

 

<干潟活動>

6月25日(金)、大潮干潮時間(15時半ごろ)にあわせて、14時に集合して活動開始です。

芦北高校から3年生(アマモ班全員5名)と前島先生、

ドローンオペレーター高峰さん、 先月 に引き続き天草海部の正角さんと今回初来訪の浪崎さん、

アマモ造成活動開始当初から携わられている森下惟一さんが活動参加、また、近くにある「あしきた青少年の家」の方も見学来訪、

当社からは、私・園山と北野研究員・外薗研究作業補佐員が参加しました。

 

 

 

↑ 生徒さん5名に対して、大人チームは入れ替わりもありながら最大14名が参加・来訪、大所帯でいつもの活動拠点まで堤防を10分移動します。

 

 

 

↑ 先月に引き続き、芦北高校が開発したアマモ場造成手法「ロープ式下種更新法」に必要なアマモ花枝を、

内海側(堤防から北側)から採取していきます。

今シーズンのアマモは生長が早く、すでに花枝が流れていってる株も多く、沖合側へ採取して揃えました。

(左上)水色キャップの方が、ちょうど教育実習期間中で参加した鬼塚先生。なんと4年前卒業のアマモ班OBです。

当社が芦北高校と共同研究体となったのは3年度前からですので、1年度違いでお会いはしていないのですが、

当時の活動やプレゼンの場での発表内容をお聞きし、引き込まれました。

今の活動も、まさに、アマモ班の生徒さんが後輩へ、アマモ場造成の経験・目的が引継がれているなぁと感じました。

(左下)左側の森下さんから、初参加の浪崎さん(天草海部)に花枝の選抜方法をレクチャー。

ここでも、経験が引継がれている様子が! 素敵です。

 

 

 

↑ 6月も4月から3機会連続で、空撮画像からアマモ場解析方法の新たなチャレンジのために、

アマモ場特定の場所に目印をつけて、ドローンを活用しての上空からの撮影と枠内アマモ株計測を実施。

 

 

 

↑ 次に「ロープ式下種更新法」、今回は2ヵ所(先月1ヵ所で、今シーズンは計3ヵ所)に設置です。

(右上)ロープを張り、両端を杭で底質に打ち付けます。

(左下)一定間隔(今回は2m間隔)でアマモ花枝の束(10株)を括り付けていきます。

【ロープ式下種更新法(先月も示しましたが転載です)】

干潟にロープを張り、そのロープに一定間隔で花枝の束をくくりつける手法で、熊本県立芦北高等学校(林業科 アマモ班)が

開発した「森林の再生手法である『天然下種更新法』を参考とした自然に近い条件下による手法」(2009年より実践)です。

その効果として、同校がアマモ場造成に向けて活動しはじめた2003年には、2500㎡だったアマモ場が、

2008年まででは1.5倍ほどの拡大をしていましたが、

この手法を2009年から取り入れてからは、2018年には20倍の5万㎡と、20倍もの面積のアマモ場を再生しました。

(その後、昨年2020年の大雨で残念ながら大部分は 消失 してしまいました)

なお、ロープ式下種更新法については、2014年熊本県が発行の「漁業者のためのアマモ場造成マニュアル」

https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/life/80846_99157_misc.pdf   約14Mのpdfファイルです)にも掲載されております。

上記ファイル展開後23ページ。補足として、アマモ花枝をロープに括り付ける方法として、現在は環境配慮もあり分解しやすい紐を用いております。

 

 

 

↑ 今回は、久しぶりに私(筆者・園山)もウェーダー装着で入り、アマモ場に集う生き物の観察方法について森下さんからお聞きしました。

また、丁校長先生も来訪にて、活動の様子を見学されていました(ツーショット画像の左側の方です)。

 

 

 

↑ 干潟活動最後に、恒例の集合写真。入れ替わりもあり、全員集合ではないですが、アマモを手であらわしたポーズでパチリ。

天草海部さんのブログでも記録されております(生き物の観察記録もあります) → https://ameblo.jp/aromamaslife/entry-12682640302.html

 

 

翌日・・・

 

↑ 前日の干潟活動時間では、潮が上がるのが早くできなかったアマモ試験区(11月から毎月1度おこなっていたアマモを移植したエリア)の

アマモ計測・観察を、次の日に実施。

今年のアマモは生育が早く、自生アマモ場でも花枝も流されてもう枯れ始めですが(1ヶ月早い感覚)、

この試験区も同様の兆候あり。それでも、仕掛け違いで、きちんと差がみられており、芦北高校による発表もいいものが出来そうです。

 

 

 

↑ また、5月から3機会連続で、アマモラボ水槽で生育させたアマモ苗も移植しました。

大潮干潮でも潮が引かなくなってきましたので、今シーズンの移植(内海の自生アマモ、アマモラボでの生育のアマモ苗)は、

今回で終了となりそうです。

 

 

 

↑ そして、ドローン利用の記録。今回も、地元地元のドローンオペレーター高峰さんに依頼し、空撮画像ゲット(目的(ページ展開後下部))です。

今シーズンのアマモはこの6月が最も旺盛ですので、打合せを重ねながらフライト条件を改良、3機会フライトいただきました。

 

 

 

↑ 干潟活動日前日のドローンによる空撮画像(定点観察用俯瞰)です。

先月5月のフライト時、茶色く見える「細かい木々や葉」が多くありましたが、

その後の干満や川からの流れで、少なくなっていました。

堤防から南側(上部側の画像でいうと、堤防から右側)エリアには、やはりまとまったアマモ場は確認できません。

 

 

 

↑ 今シーズン設定の試験区部分です。

昨年の大雨で流された自生アマモ場に、パラパラとアマモを見ることもできました。

さらに堆積した底質でその場にいくことは困難ですが、底質側条件はいいのか自生でのアマモ場復活への期待も感じます。

昨年の大雨により山から運搬されてきた土により、底質条件が均一化していることも考えられ、今シーズンのロープ式下種更新法での仕掛けも、

これまで自生アマモや移植アマモが生育しなかった河口に近い方にも設置しました。

 

 

 

↑ アマモ場に集う鳥シリーズ。6月も多く撮影できました。

獲物が豊富なのか、設定したアマモ試験区にもみられるのも嬉しいところです。

 

 

 

<アマモラボ>

 

↑ 5月に仕掛けた、追熟装置内の採取したアマモ花枝の様子です。

6月の3機会の様子ですが、順調に枯れ始め、アマモ種子も確認出来るくらいとなっております。

今シーズンもどこかで種子採取を実施します(昨年の種子選別の様子)。

 

 

 

<啓発活動>

 

日本沿岸域学会の全国大会に参加し、研究討論会で発表もさせていただきました。

30年の歴史がある学会ですが、2年度前に正会員入会し聴講で初参加、昨年は学会発表申し込みも情勢から中止、

今年はオンラインでの開催となり、学会発表の実績としても足跡をつけることができました。

(植物としてのアマモ研究内容は、植物対象の学会で発表を考えております)

当社の学会発表など実績一覧ページ(上部スクロールでアマモ以外も見られます))

 

 

 

7月は、今シーズンではここ芦北のアマモが観察できる最後あたりになりそうです。

関連してイベントごとが多いですが、アマモ場の重要性を示す機会、その手法を継いで行ける機会を意識しながら、

活動していきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

≪次回の活動機会記録≫

 

 

 

 

≪ご参考:芦北高校との活動記録リンク集≫

【2018年12月】 : 共同研究体制スタート。アマモ班と初顔合わせ。
【2019年 2 月】 : 芦北高校に当社研究水槽設置。アマモ班との座談会。
【2019年 3 月】 : 深夜の定植活動
【2019年 4 月】 : 明るいときの定植活動(この月より最干潮時間が陽が高い時のため)
【2019年 5 月】 : 花枝採取、マリンチャレンジプログラム授与式
【2019年 6 月】 : ロープ式下種更新法でのアマモ場造成
【2019年 7 月】 : 土壌採取、分析
【2019年 8 月】 : 土壌採取、分析、取材
【2019年 8 月】 : 芦北高校「優秀賞」
【2019年 9 月】 : アマモ観察、採取
【2019年10月】 : アマモサミット・芦北高校もプレゼン
【2019年11月】 : アマモ観察、採取(この月より最干潮時間にあわせて深夜活動)
【2019年12月】 : アマモ移植(試験区設定)、観察、採取、取材
【2020年 1 月】 : アマモ移植(試験区設定)、観察、採取、当社ラボ見学来訪
【2020年 2 月】 : アマモ移植(試験区設定)
【2020年3・4月】 : アマモ移植(試験区設定)、観察
【2020年 5 月】 : アマモ試験区観察、採取
【2020年 6 月】 : ロープ式下種更新法でのアマモ場造成・試験区観察・ドローン飛行による撮影・芦北町環境基本計画掲載
【2020年 9 月】 : 豪雨後の記録1<堤防から見た画像>
【2020年 9 月】 : 豪雨後の記録2<上空・水中から見た画像>
【2020年10月】 : アマモ種子選別
【2020年11月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、種子洗浄、海辺の自然再生・高校生サミット2020
【2020年12月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、「高校生マイプロジェクトAWARD in 熊本・益城」
【2021年 1 月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、空撮画像取得開始
【2021年 2 月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、アマモ種子試験、空撮画像取得、光量子測定
【2021年 3 月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、アマモ種子試験、空撮画像取得、高校生マイプロジェクトAWARD 全国summit
【2021年 4 月】 : アマモ観察、移植(水槽生育分)、アマモ種子試験、空撮画像取得、マリンチャレンジプログラム授与式
【2021年 5 月】 : アマモ観察、移植(水槽生育分)、ロープ式下種更新法、アマモ種子試験、空撮画像取得
【2021年 6 月】 : アマモ観察、移植(水槽生育分)、ロープ式下種更新法、空撮画像取得、日本沿岸域学会参加
【2021年 7 月】 : アマモ観察、空撮画像取得、くまもと環境賞受賞
【2021年 8 月】 : アマモ観察、空撮画像取得、マリンチャレンジプログラム全国大会出場へ