熊本県立芦北高等学校(通称:芦高<あしこう>。以下、芦北高校)とのアマモを対象とした共同研究体制も8年度目に入りました。
同校のアマモ場造成活動は、今年度で23年度目!となり、皆さまの応援も頂きながら実施されています。
ご参考:
2018~2021年度においては、
公益財団法人水俣・芦北地域振興財団(平成30年度~令和3年度 環境技術研究開発
研究開発題目『定植事業の規模拡大を後押しする 「植物工場技術」を用いた高定着率アマモ苗の効率的大量生産技術の確立』
プロジェクト事業においてアマモを対象とした研究を進めておりました。
(これまでの芦北高校との活動記録は、本ページ最下部のリンク集(約40本)からご覧下さいませ)
今年の大潮干潮は「3月」から陽の出ている時間帯となり、6月あたりまでアマモ場が観察しやすい時期となります。
・・・とはいえ、かつてアマモ場が広がっていた場所に今年もアマモは極々少ないです。
多年生アマモが見られていた通称「内海」(計石堤防の北側エリア)は、2023年シーズンからほぼ消失してしまい、3年目の2025年も同様です。
(消失した時の記事 → 2023年5月)
一年生アマモが見られていた通称「外海」(計石堤防の南側エリア)は、2020年7月の大雨による覆土により消失してしまい、5年目の2025年も同様です。
(消失した時の記事 → 2020年9月)
↑ アマモ場が広がっていたころ(2020年)と今年の比較です。
↑ (画像左上)堤防のほぼ中間地点から東側(陸側)を見ています。堤防から左が内海(北側)、右が外海(南側)です。
(画像左下)堤防のほぼ中間地点から西側(沖側)を見ています。堤防から左が外海(南側)、右が内海(北側)です。
(画像右上)緑色に見えているのはアマモではなくアオサです。今年は多い印象です。
(画像右下)そのアオサ群の中に、少ないですがアマモがみられます。
↑ 芦北高校 林業科 アマモ班の今シーズンのアマモ場造成活動(干潟活動)は、コアマモ移植による方法で進めています。
コアマモは南側の隣の湾(福浦)に自生するものを採取し、12月から毎月移植していました(大潮干潮時間は深夜帯)。
大潮干潮が陽がでて明るい時間となる3月からは、毎月その移植したコアマモの観察です。
↑ 4月も同様に実施。アオサが移植区にも広がり、丁寧に除去してから、コアマモ観察を行いました。
↑ 隣の湾である福浦の様子です。
2023年はアマモもコアマモもありましたが、2024年からアマモが急減し、
今年2025年はほぼなくなってしまいました・・・。
コアマモは生存していることから、計石の内海に移植分はここから採取させてもらっています。
↑ 計石・福浦の位置関係です。
採取・移植には「遺伝的攪乱の配慮」が必要です。
2023年5月にも示しましたが、
「同じ八代海であるのと、20年ほど前もここから採取して実際アマモ場拡大に向かった実績もある」ことでクリアーと考えております。
今シーズンの干潟活動編は、このコアマモの定着具合を見守っていきます。
アマモラボでの水槽試験は、継続的に進められています。どこかのタイミングで記事にできればと考えております。
≪ご参考:芦北高校との活動記録リンク集≫
【2018年12月】 : 共同研究体制スタート。アマモ班と初顔合わせ。
【2019年 2 月】 : 芦北高校に当社研究水槽設置。アマモ班との座談会。
【2019年 3 月】 : 深夜の定植活動
【2019年 4 月】 : 明るいときの定植活動(この月より最干潮時間が陽が高い時のため)
【2019年 5 月】 : 花枝採取、マリンチャレンジプログラム授与式
【2019年 6 月】 : ロープ式下種更新法でのアマモ場造成
【2019年 7 月】 : 土壌採取、分析
【2019年 8 月】 : 土壌採取、分析、取材
【2019年 8 月】 : 芦北高校「優秀賞」
【2019年 9 月】 : アマモ観察、採取
【2019年10月】 : アマモサミット・芦北高校もプレゼン
【2019年11月】 : アマモ観察、採取(この月より最干潮時間にあわせて深夜活動)
【2019年12月】 : アマモ移植(試験区設定)、観察、採取、取材
【2020年 1 月】 : アマモ移植(試験区設定)、観察、採取、当社ラボ見学来訪
【2020年 2 月】 : アマモ移植(試験区設定)
【2020年3・4月】 : アマモ移植(試験区設定)、観察
【2020年 5 月】 : アマモ試験区観察、採取
【2020年 6 月】 : ロープ式下種更新法でのアマモ場造成・試験区観察・ドローン飛行による撮影・芦北町環境基本計画掲載
【2020年 9 月】 : 豪雨後の記録1<堤防から見た画像>
【2020年 9 月】 : 豪雨後の記録2<上空・水中から見た画像>
【2020年10月】 : アマモ種子選別
【2020年11月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、種子洗浄、海辺の自然再生・高校生サミット2020
【2020年12月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、「高校生マイプロジェクトAWARD in 熊本・益城」
【2021年 1 月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、空撮画像取得開始
【2021年 2 月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、アマモ種子試験、空撮画像取得、光量子測定
【2021年 3 月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、アマモ種子試験、空撮画像取得、高校生マイプロジェクトAWARD 全国summit
【2021年 4 月】 : アマモ観察、移植(水槽生育分)、アマモ種子試験、空撮画像取得、マリンチャレンジプログラム授与式
【2021年 5 月】 : アマモ観察、移植(水槽生育分)、ロープ式下種更新法、アマモ種子試験、空撮画像取得
【2021年 6 月】 : アマモ観察、移植(水槽生育分)、ロープ式下種更新法、空撮画像取得、日本沿岸域学会参加
【2021年 7 月】 : アマモ観察、空撮画像取得、くまもと環境賞受賞
【2021年 8 月】 : アマモ観察、空撮画像取得、マリンチャレンジプログラム全国大会出場へ
【2021年 9 月】 : アマモ観察、空撮画像取得、アマモ種子選別、アマモポット苗作成
【2021年10・11月】 : アマモ観察、移植(試験区設定、水槽生育分)、空撮画像取得、アマモ種子選別、光量子測定、SPAD値測定
【2021年12月】 : アマモ観察、移植(試験区設定、水槽生育分)、空撮画像取得、SPAD値測定
【2022年 1 月】 : アマモサミット・芦北高校もプレゼン
【2022年1・2・3月】 : アマモ観察、移植(試験区設定、水槽生育分)、空撮画像取得、SPAD値測定、水槽環境構築、マリンチャレンジプログラム全国大会、サイエンスキャッスル九州大会
【2022年 4 月】 : アマモ観察、空撮画像取得、水槽構築、光量子測定
【2022年 5 月】 : アマモ観察、空撮画像取得
【2022年 6 月】 : ロープ式下種更新法、空撮画像取得
【2023年 1 月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)+4月追記(アマモ場昨年比較)
【2023年 5 月】 : アマモ観察、ロープ式下種更新法、芦北高校への取材(「真相報道バンキシャ!」(日本テレビ系列)(5月28日(日曜日)放送予定))
【2025年 3 月】 : Jブルークレジット認証、日本農業気象学会・高校生ポスターセッション