令和5年度 DX実証事業(熊本県)進行中

アグリライト研究所では、今年度(2023年度・令和5年度)の研究開発事業として、

・熊本県DX実証事業 : 『ドローンや衛星データを活用したサツマイモの高品質化・高収量化・管理省力化』(事業目的はリンク先)

・経済産業省 : 『熊本県における特産品農作物の高品質化を目指した予測情報開発』

を進めておりますが、どちらも、圃場の農作物を「ドローン飛行により取得した画像や衛星データ画像」と「実際の植物を把握した情報」を関連付けて、

「生産者の方や農作物商流に関わる方々が利用できるサービス」へ至るエンジン部分(計算式、アルゴリズム)の構築を進めております(過去の実証成果)。

 

熊本DX実証事業(熊本県HPでの紹介)については、6月よりスタートしており、

オンライン打合せ機会と、クラウドを利用したデータ群の引き渡しと解析、を繰り返して進めておりましたが、

対象となる「サツマイモ」の収穫シーズンに合わせて、熊本県担当者さんも含めて現地圃場の確認と情報共有機会を設けました。

 

当日は、株式会社なかせ農園の中瀬さん(代表取締役)にご協力いただき、

これまでデータ上で理解していた圃場群ですが、実際の圃場を見て回りました。

当社(アグリライト研究所)からは、解析主担当の山口大学内研究所の岩谷(取締役 技術・研究担当)も熊本県入りし、私(筆者・園山)と2名で訪問しました。

 

 

 

↑ 解析で用いているデータやオンライン機会での中瀬さんからの情報では、同じ圃場内でも生長度合いが異なる・土質が異なるのか・起伏がありそう・・・といった憶測も

現地に行くと合点いくことも多く、やはり現場訪問を見て実圃場のクセをお聞きするとわかりやすいです。

圃場を理解する上で、生産者さんが記録しているデータ群、気象情報などの情報と、

空中からの画像を解析して得られる情報を結び付けて、その関連性を導く(結果、複数情報があると予測も立てられる)のが当方の得意とするところですが、

圃場を目でみて把握する能力は、機材群から取得する情報ではまだまだ追いつかないと感じます。

左下の画像は、衛星データ画像ですが、どの種類の衛星を利用する・どの撮影タイミングのものを利用するのもノウハウになりそうです。

 

 

 

↑ 今回の実証では、中瀬さん所有のドローン(DJI P4 Multispectral)を用いて、対象圃場を複数機会フライトいただき、空撮画像のデータ取得を進めました。

左下の画像は、ドローンにより撮影された空撮画像ですが、(無料取得できる)衛星データよりも解像度が高く、解析したい内容によっては利用しやすいです。

ただし対象が広範囲の場合は、飛行時間が長くなるので、バッテリー交換の手間があり、

また、天候(降雨、強風)にも左右されることもあり、過去悩まされた部分があります。

 

 

 

↑ 複数圃場を見て回った後は、収穫後の動線設備をみせていただきました。

なかせ農園さんの経験と研究成果による、生産側の技術(減農薬)と出荷までの高付加価値技術(甘みを引き出す熟成技術)ここにあり。

「G-GAP」「エコファーマー認定」「農福連携技術支援者」「土づくりマスター(土壌医検定2級)」などなど多くの認定認証も取得されており、

多種多様なデータ管理をされていることで、その提供いただいたデータから当方の解析も多視点で進めることができております。

 

この度は、現地での情報共有機会をありがとうございました!

 

(画像右側から  :  中瀬さん、 当社(アグリライト研究所)園山、 当社(アグリライト研究所)岩谷)