水俣環境アカデミアジュニアサイエンスセミナー(2020年11月28日)

熊本県水俣市内の小学校高学年~中学生を対象とした、水俣環境アカデミアジュニアサイエンスセミナーが開催され、

当社・アグリライト研究所も昨年度に続き、講師役の役割にて参加させて頂きました。

 

このセミナーは、水俣市の案内によると「大学の教員や研究者等が講師となり、

SDGs未来都市水俣の将来を担う小中学生に対し、各学校で行う環境学習よりさらに専門的な実験・実習を通して、

知見を広めることにより、自ら考え自ら学ぶことのできる人材育成を図ることを目的とするもの」とあり、

今年は、参加者規模を約20名と縮小して(昨年度は約50名)、

各テーマ(各大学等)4~5名「5テーマ」(昨年度は、6~8名にて「7テーマ」)にて開催されました。

 

 

当社は、

テーマ「植物をはかってみよう」(昨年度と同一)としながらも、今年度は「味」に着目。

『植物には様々な「味」がある。しかし、その「味」が、「どれだけ甘いのか」「どれだけ苦いのか」

「どれだけすっぱいのか」は人それぞれの感覚でしかない。

そこで、今回はその中でも「甘味」「酸味」を様々な果物で測定して、比較する。』を目指して、

1ヶ月前から、どのような果物を選んだらいいか、所有測定機器で数値化できるか、作業時間はどれほどかかるかなど、

検証・準備を進めてきました。

今年の参加者は、小学校4・5年生2名ずつの計4名ということで、どうやって数値をわかってもらうかも検討しました。

 

 

当日、

 

↑ 会場は、水俣環境アカデミア。

9時スタートの約1時間前に到着し準備開始です。アカデミア職員さん力作の「ウェエルカムボード」でお出迎え。

参加者に配られる「しおり」と名札が準備されていました。

当社からは、当社に2月から加わりました外薗さんも参加し、水俣研究所全員の4名体制。

(北野研究員のよみがなが2年連続で誤記なので来年度は修正してもらいます、すみません)

また、水俣高校のボランティアスタッフの方も1名加わり、参加者4名に対して十分なフォロー体制で進めることができました。

 

 

 

↑ 準備進行。測られる側と測る装置、モノ側の主役たちです。

 

 

 

↑ 9時、全参加者と講師役先生方が集合し開講。高岡水俣市長のあいさつ、各講師役先生のあいさつと進みます。

 

 

 

↑ そして、各講座にわかれてスタート。

・私(園山)は、水俣に本社がある会社として、

『栽培環境によって植物(野菜アマモ)がこう変化します!を研究している

(その技術を使いたい企業や目的がある)』ことをお伝えし(右上)、

・北野研究員より、本日の流れと、ヒトは味をなぜ感じるのか・どういう項目(酸味を感じるなど)で表現できるかを説明(左上下)。

 

 

それではお楽しみの実験開始(座学は難しいよね・・・)。

 

↑ 用意した果物の中から、時間配分を考え、まずは

皆さんのなじみのある「リンゴ・キウイ・イチゴ・レモン・ミカン」を選択し、

① 実食。甘く感じた順位を記入。イチゴが一番甘く感じたとした方が多く、レモンは全員一致で最下位でした。

その後、測定装置にかけるために果汁をとっていきます。すったり、しぼったり。見た目カラフルな果汁がそろいました。

そして、

② 糖度、③ 酸度、④ pH を数値化できる装置に果汁をいれて、数値を読み取ります。

pH計は果汁を薄める必要があり、希釈する水が多く入らないように慎重に。

お昼休憩までに、予定より早く終えられたので、ラ・フランスやドラゴンフルーツなども切り分け、

測定したり実食したりで、午前中の予定を終えられました。

 

 

皆さんがお昼休憩の間、こちらは緊張感ある時間となります。

午後からは、全参加者が集合してセミナーごとで発表会があります。

その練習前に、測定した数値を集計・撮影した画像を編集し・パワポイントスライド16ページにまとめ、

事務局にファイルを提示し、印刷してもらう・・・という作業を限られた時間で進めます。

私(園山)のお昼休みは、お弁当を頂きながらでPC作業です。

 

 

↑ 午後スタート、まずは早速作成したスライドで、測定数値や発表内容を伝えます(上側)。

そして、発表会を想定して、誰がどのスライドについて説明するかを決めて、発表練習です。

説明内容と分担を決めるのに時間がかかり、通しの発表練習は1回だけとなってしまいました。

 

 

 

↑ そして全員の前で発表。1回しか練習できませんでしたが、小学校4・5年生すごい!

問題なく伝えられたかと思います。

・一番甘いと感じた「イチゴ」は、「糖度」では5種で一番低かった(そしてレモンよりも低い)

・「酸度」はレモンが一番高かった(これは予想どおり)

・「㏗」は、数値が高い(アルカリ性)と「苦味」が強く、数値が低い(酸性)と「酸味」(すっぱさ)が強い

の3点がまとめられプレゼン・質疑応答を経て終了。よかったです。

 

 

 

↑ 全講座の発表が終わり、参加者の皆さんには修了証が渡され(郵送。全参加者代表の参加者のみ手渡し)、

締めは、今回の会場「水俣環境アカデミア」の所長・古賀先生による挨拶。そして、集合写真。

約7時間のイベントを終了しました。

ウイルス流行を見ながら、今年は自由研究題材向け夏休みに実施ができず、この11月となりましたが、

開催となり良かったです。当社も、水俣市での今年度の依頼イベントは本件が初めて。またお役に立てることがあればと思います。

 

 

尚、水俣市のホームページにて、開催報告がされております。

https://www.city.minamata.lg.jp/kiji0032136/index.html