講義&実習を行いました : 「高専ハカセ塾」カリキュラム1機会を承りました(2022年版・4機会目)

当社本社所在地の「みなまた環境テクノセンター」(当社水俣ラボ<Finevege-Lab.(ファインベジラボ)>において、

熊本高等専門学校(以下、熊本高専)八代キャンパスより依頼を頂戴し「講義&実習」を行う機会があり、2022年11月19日(土)に実施させて頂きました。

(ご参考:熊本高専HPでも記事にして頂けました → “https://kumamoto-nct.ac.jp/update/2022/12/20221214a/

 

これは、国立研究開発法人科学技術振興機構「ジュニアドクター育成塾」の採択事業として有明高専、熊本高専(熊本キャンパス、八代キャンパス)、

久留米高専の3高専4キャンパスで実施している次世代の科学技術を担う傑出人財を発掘・育成するプログラム 「高専ハカセ塾」 の中で、

熊本高専(八代キャンパス)の行うカリキュラムのうち1機会を承ったものです。

 

2018年度 2019年度2021年度も御依頼を頂戴し、今機会で4回目となります(2020年度は情勢により会場が使用できずでした)。

 

今回の「講義&実習」の到達目標としては(毎年同様ですが)・・・

1.植物に興味を持ってもらう。

2.移動できる動物と違い、動けない「植物」でも環境応答することへの理解。

3.対象の野菜を実際「収穫」「評価」「レポートにまとめる」を行い、観察・データ取得・考察を体感する。

をコンセプトに、内容を構成して準備を進めてきました。

 

 

 

↑ 今回、植物は「レッドバタビア」(フリルレタス)を準備しました。

実習内容の構成・実習で使用する植物の選定と栽培は、当社他承り栽培比較試験で使用するスペースや工数も含めて、

毎年内容新たに組んでいます。今回の植物も予備栽培試験(予想通りの生育差が得られるか)も含めて約1ヶ月以上から、栽培側の準備も進めてきました。

今回の栽培時の光条件は2種類で、

(左側画像)①「温かみを感じる白色(色温度4000k)」、②「青色」環境下で生育させました。

(他の栽培環境(温度)などは同一です)

(右側画像)栽培環境から取り出した植物ですが、片方が着色しています。この理由も講義で伝えていきます。

 

 

 

↑ 受講生をお迎えする直前まで会場準備を行い整いました。

配布資料としては、今年も、受講生皆さんが使用している実習ノートに貼り付けられるようにA4サイズレポート用紙を作成。

観察した内容や測定データが書き込めて、また予め記入しているまとめ考察部分は穴埋め記入できるようにしてあります。

 

 

 

↑ 受講生をお迎えして、13時半すぎにカリキュラムスタート。

まずは、熊本高専八代キャンパスの東田先生より、外部企業(当社)来訪での実習趣旨について説明(左上)。

そして、当社対応チーム5名それぞれが自己紹介。

(右上)代表取締役・園山(筆者)からは、当社説明としてヒトの生活に身近な植物を対象の研究目的と利用されているシーンについて話題提供、

(左下)私(右端)から、山口大学内研究所の取締役・岩谷(今年は山口から駆け付けました)、

馬場研究員・外薗研究作業補佐員・北野研究員(今回も司会進行役)と進めます。

蛍光たすきは毎度おなじみの「スタッフです!」の目印です。

 

 

 

↑ そして、座学スタート。

(上側2枚)移動できない「植物」の環境応答の仕組みとして、葉がなぜ色づくかを光条件とともに説明(岩谷)

(下側2枚)特に光環境違いの説明をいれながら、実習の内容についての説明(北野)

 

 

 

↑ 真剣に聞いてくれて、ありがたいです。

 

 

 

↑ その後、当社栽培環境(植物工場といえる研究環境)へ移動し、

(上)馬場研究員より、制御されている栽培環境(光・温度・湿度・風・二酸化炭素など)を説明。

(下)他の依頼栽培試験をちょうど終わらせている日程調整を行っていたので、

衛生用具未着用で、栽培環境内も入って頂き見ていただきました。

 

 

 

↑ 今回は3グループにわかれて、植物の評価開始です。各グループに、さきほどまで見学で見てもらった各光環境で栽培していた植物が配られます。

植物の身体測定、いわゆる身長(草丈)と体重(新鮮重)、そして葉の数を測定して、数値情報をレポート用紙に気付きと共に記入していきます。

 

 

 

↑ (右下)根の観察も行えるように黒色のウレタンを使用して栽培していましたが、映えますね。

そして、今回のカリキュラムでは、初めて顕微鏡観察を取り入れました。

青色光環境下で生育したレッドバタビアは、白色光環境下で生育したものよりも、着色が進んでいます。

その着色している場所はどこなのかを、比較しながら見てもらいます。

植物を薄ーくきりだしてのプレパラート作成作業、なかなかの職人技となります。

 

 

 

↑ 顕微鏡観察はなかなか好評でした。当社所有機材もうまく活用できて良かったです。

薄く切りだせるかどうかで観察のしやすさが変わり、印象に強く残ったかと思います。

 

 

 

↑ データ取得後は、各グループの代表者が発表。

各グループのデータを集計して、岩谷より「白」「青」光環境別でなぜ異なるかを説明し、理解を深めました。

 

 

 

↑ そして、受講生代表の田上さんからお礼の言葉を頂戴しました。

 

 

 

↑ そしてクロージング。

私からは、「比較する対象をつくって、数値データを取得する重要性。それは相手(情報提供先)に根拠を有力に示せること。

そして受講生同士との出会いは大切に、また我々も含めて、いつの日か一緒に研究することになるかも!」と

来場御礼挨拶をさせていただきました。

 

 

 

↑ 終了後、恒例のお土産として、収穫野菜(解析に使用していないもの。予備含む)をお持ち帰り頂きました。

今年も情勢により、講座内での実食機会は避けましたので、ご家庭で色付きや見た目・食感の違いを話題にしていただければと思います。

(白色・青色光環境別のベビーリーフ)

 

 

 

↑ 2時間半の時間、受講生のみなさん、おつかれさまでした!

 

 

 

【ご参考:植物工場ではこんなことに注意して栽培環境を管理していますページ ↓ 】

http://www.agri-light-lab.co.jp/?page_id=2604

 

【過去の熊本高専(八代キャンパス)でのご依頼実施内容】

おもしろサイエンス・わくわく実験講座2019 「部屋で育てられる野菜栽培キットを作ろう」ブース

研修講師役

 

【同実習:別の機会の実施】

2018年度

2019年度

2021年度